Yamaguchi Univeristy, Graduate School of Sciences and Technology for Innovation

-概要-

本研究室では、GaNに代表されるⅢ族窒化物半導体を使った緑色~紫外線領域の光を発する発光ダイオード(LED)・レーザー(LD)、超高速動作を可能にする高電子移動度トランジスタ(HEMT)を研究ターゲットにしています。じっくりと基礎理論と技術体系を学び、窒化物半導体の結晶成長技術、エッチング加工技術、電極技術、デバイス設計技術などの最先端の光半導体デバイス技術の体系的な研究に没頭できる環境を整えています。「知的好奇心」も「実用性」へのこだわりも十分に満足させ、次世代の“電子立国日本”を支える人財を輩出している研究室です。

-主要研究課題テーマ-

超高品質GaN光半導体の結晶成長技術の開拓

光半導体デバイスの明るさは、その元となるGaN半導体の品質で決まると言っても過言ではありません。本研究室では、有機金属気相成長(MOVPE)法を用いて、世界最高水準の結晶成長技術を開拓しています。特に、高い結晶品質とデバイスにおける高い光取り出し効率を兼ね備えた、サファイア加工基板上への結晶成長技術の研究を進めています。

超高輝度光半導体デバイスの実現

半導体結晶成長技術が川上とすると、電極形成などのプロセス技術が川下。この2つが組み合わさって初めて、光半導体デバイスが実現します。本研究室では、高い光取り出し効率を有する光半導体デバイスの実現に向けて、プロセス技術の開発にも取り組んでいます。只友研究室が試作した加工サファイア基板上LEDの最高外部量子効率は20mA電流注入時で49.5%と大学として世界トップレベルにあります。

サファイア加工基板を用いた非極性面GaNの結晶成長

サファイア加工基板を作製し、その側壁からのみGaNを成長させることによって非極性面GaNを作製する手法を開発した。この手法を用いることによって通常に非極性面GaNをサファイア基板上に成長させる場合と比較し格段に結晶品質の優れたGaNを作製することが期待される。例えばa面サファイア加工基板のc面側壁よりGaNを成長させるとm面GaNを得ることができ、r面サファイア加工基板のc面側壁からGaNを成長させると図に示すように(11-22)GaNを成長させることができる。

超高品位GaN基板の実現

GaNの高品質化、低コスト化、大口径化はGaN系デバイスの普及のために必ず必要です。本研究室では大型の6インチハイドライド気相成長(HVPE)装置を用いて、高品質のGaN基板に取り組んでいます。現在はHVPE成長では世界最高クラス品質である転位密度~10^4台を達成しています!

次世代型電子デバイス

現在市場化に至っているAlGaN/GaNの高電子移動度トランジスタ(HEMT)の性能を大きく凌駕する可能性を秘めている窒素面(Al)GaN/AlNへテロ構造を用いたHEMTの開発を中心に、電子デバイスの研究を行っています!世界初の高性能デバイスの実現を目指した萌芽研究の位置づけです。